こんな写真×詠んでみた

2013年7月突如出会った新しい芸術表現。 写真と俳句をコラボさせた 「フォト×俳句」 どちらも全くゼロからのスタートです。 作品作成のプロセスや結果を徒然なるままに・・・

2014年05月

麦の穂や予定通りのバス旅行
俳句ポスト兼題「麦」で火曜日俳句道場に紹介されたもの。
俳句には「配合の句」と「一物の句」がある。
「取り合わせの句」と呼んだり、まぁ呼び名は宗匠によって色々だったりする。
そして、この配合の句のつくりかたを懇切丁寧に記しているのが。
私のバイブルであるこれ ↓

角川学芸ブックス 新版 20週俳句入門
藤田 湘子
角川学芸出版
2010-04-21


この配合の句をさらに4つの型に分類してかみ砕いて説明しているのがこの本の特徴。
去年、俳句を作り始めてすぐにこの本通りに作っていった。
本自体は何回も読んでいる。

とはいえ、その配合の仕方がイマイチわかったような判らないような。
今回は湘子先生のパターン1で作った掲句を俳句ポストに出して、組長に質問してみた。
それに対する組長の答えがこちら。

取り合わせ

読み手は探っていくのか・・・・なるほど。
結局これに関しては感覚なんだろうなぁと、前から薄々感じていた。
形式知としての答えは無いものだと思われる。
何故なら俳句は「詩」だから。

組長は明快な指示を与えてくれている。
「読み手としての力を蓄えること」
つまり先人の名句に可能な限り触れてそれを体内の細胞レベルに蓄積せよということ。

なので、近道なんてあってないようなもの。
前出の「20週俳句入門」でも湘子先生は、暗記しなければいけない名句を用意して、それが出来なければ次のステップには進んではいけないと書かれている。
まさにこれの作業だと思う。

因みに山走子くんは、案外こいうことに関しては真面目に取り組むほうなので。
とりあえず一回はこの本の課題句は暗記してたりする(笑)

そうそう、私が取り組んでいるのは「フォト×俳句」なんだけど。
俳句が、季語と季語以外の配合で一旦出来た後に、今度は写真と配合させる。
付かず離れずの作業を二度に渡って行っているようなもの。

この知的ゲームがたまらなく楽しいのであった。


[写真解説とデータ]
カメラ:RICOH GR
露出時間:1/320
絞り:3.6
F値:f/3.5
ISO:100
WB:自動
露出プログラム:絞り優先
露出バイアス:±0

上野のアメ横が観光地かどうなのか、なんだか微妙だけど。
海外から来ている人がかなり多いので、まぁ観光地と呼べるだろう。
俳句が「バス旅行」なのでバスの絵なんかを出すと付き過ぎになる。

これの狙いは、麦の芽が出る頃のバス旅行ってわけで。
バスは写さず、はとバスツアーかなんかのイメージで組み合わせた。
人物の顔が結構写り込んでいるけど、人数が多いので肖像権に触れる事にはならないらしい。




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夏の朝俳句の種を集めけり
今週の俳句ポストの兼題は「植田」だ。
予定では「ゴキブリ」の筈だったのに、さすがに「ゴキブリ」は回避か(笑)
このブログは結構俳句ポスト投稿者が見てくれているので情報提供しておこう。

それにしても「植田」という言葉も初めて聞いた。
初めて聞いたというのは違うか・・・植田さんって何人か知り合いがいる(笑)
兼題の「植田」というのは歳時記によると。
「田植を終えてまもない田のことである、苗は整然と列をなし、水田に影を映している。
一ヶ月もすると青田となる。」


と、書かれている。
つまり、上の作品に仕上げた状態がまさに「植田」である。
で、歳時記の記載にもあるけど、だいたい何かを映している。
この写真だったら「山」が写っている。
ので、写ったものを句にしたら、あっさり「並」なんだろうな。

農家じゃないので、稲作りの経験は無いのだが。
植田を考えるとスタートはこの辺りから?



これ ↑ は、田植直前の田の状態だから、これだと兼題の「植田」にならない。
歳時記には田植を終えてまもない頃って書かれている。
という事は植田ってのはこんなのが ↓ スタートか?



これだとホントまだほとんど苗が育ってない感じ。
ってか水の方が多くて緑が見えない。
まぁ、苗が育って来た時には季語は「青田」に変化するのだから、まさに「植田」(笑)

違う田んぼになるけど、少しよってみるとこんな感じ ↓



ほほ~ やっぱり写生するには現地に足を運ぶ必要があるなぁ。
「守宮」や「ライラック」や「籐椅子」だと妄想でしかなかったけど。
現地に来れば、そりゃ情報は盛り沢山ってもんだ。
そこでの自分の立ち振る舞いなどの動詞の選択も増える。

こんな景色も参考に ↓



隣接した景色で詠むならこれとか? ↓



さらに、グッと寄ってこんなのを見ながら虚子先生のような句を作るとか? ↓
★水底の土柔らかな植田かな★山走子
なんてぐらいじゃ、ぜんぜん写生じゃないとか言われそうだけど(笑)
虚子先生レベルの写生だと、どんな言葉を組み立てるのだろう?




いくら現地に出向いても表現力がなきゃなぁ・・・
それでも先週の「シャワー」よりは作りやすそう(笑)

俳句の上級者が吟行に行くと一ヶ所に留まってしばらく動きを止めるらしい。
ジッとその場の景色を睨んで動かない。
周りが一生懸命メモしている間中観察を続けているとか。
自分なんか、どうしてもキョロキョロしてしまうのだが(笑)

さてさて、今回のこの俳句の種が多くの人の役に立つことを祈るばかり。
そして合い言葉は 「クレクレ天地」 「ギブミー天地」 (爆)


[写真解説とデータ]
カメラ:RICOH GR
露出時間:1/100
絞り:6
F値:f/8
ISO:100
WB:自動
露出プログラム:絞り優先
露出バイアス:±0

これの絞りが6でF値が8というのはどういう事だろう?
ずっとこれらは同じだと思っていたのだが。




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南吹く今まで何処で何してた
毎朝、同じ場所をだいたい同じ時間に走っている。
時間にして1時間距離にして7~8㎞くらい。
公園には多くの草花が存在しているのだが、突然目に入ってきたりする。
写真の花もその一つ。
まさか一日でこの状態になるわけでもなく。
多分昨日も見ているはずだが、まるで今日初めてみたかのように飛び込んできた。

しかもこの写真を撮ってもう一度ここに来た時には光の感じがまた変化して同じような絵にはならなかった。
写真の面白さはこの辺りにもある。
ほんとその一瞬の状態を切り取る。
多分、俳句も同じことを要求されているのだと思う。

せっかくだからこの公園のコースを少し紹介して置こう(笑)



この景色 ↑ がイチオシ、毎度思うのだが向こう側で光が待っていてくれる。
が、傾斜がそこそこあるので、ゼーゼーハーハー言いながら登る。
花はほんと、そこかしこに存在していてこんな景色も



毎朝こんなところを走れるのは贅沢というものだろうな(笑)
しかも幸いな事にほとんど人はいない。



池の周りを走っているわけだが。
少し上に登る事も出来て、そこからだとこんな景色 ↑
写真はシャッター切れば取りあえず撮れるけど、この景色を俳句で表せと言われると困る。
芭蕉が奥の細道で多くの俳句を作ったのは写真の代わりかも?
などと、ふと思った。

下に戻るとこうなる ↓



今回はGRの設定は露出を±3づつ3枚撮れる設定にしてみた。
結構これが面白い。
露出の微妙な違いが絵に反映される。
適正露出の定義がどこにあるのかわからないけど。
これも俳句と同じで作者の好みだろうな。

再び山に登ると何故か青邨の句碑 



★囀りや三太刀七太刀剣の舞★山口青邨
どうやらここに吟行に来た模様。

自分は毎朝、ランニング吟行しているようなものだな(笑)



で、ランニング吟行だから女子中学生にも簡単に追い抜かれるのであった(笑)
朝6時前後は結構人がいることはいるが多くは散歩の人。
山を走る人は3人くらい。




[写真解説とデータ]
カメラ:RICOH GR
露出時間:1/80
絞り:3
F値:f/2.8
ISO:100
WB:自動
露出プログラム:絞り優先
露出バイアス:±0

このデータはフォト俳句にしたもの。
他の写真も、今回のものは全てRICOH GRで撮影。

気がついた人がいたらたいしたもんだけど。
多分これらの写真の撮影日は一日二日違ってたりする(笑)


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長閑しや尽きる事無き立ち話
フォトコン6月号フォトハイ句!の入選作品 (嬉)
フォトコンは今回から定期購読にしたので店頭販売より早く手元に届いた。
ちなみに店頭販売は毎月20日。
なのでフライング発表になるのかな?まぁ良いか。

中谷先生の講評は以下

長屋の井戸端は、ご近所の噂と情報交換で大切な場だった。井戸が無くなった今日だが、この薇が人とすると、さしずめ渋谷のハチ公前か。どんな話が飛び交っているのか。

この作品も写真が先に出来て、さてさてどんな句を付けようかと数日おいて創った。
薇の形がやっぱり人に見えるのでこれを活かさない手は無い。
フォト俳句の場合にメタファーは大事だと思う。
なので、題材として動物や植物をもってきて、それらに語らせるというパターンがある。
そして、この作品にように外側からメタファーとして語るパターン。

認知パターンとしては、第2ポジションと第3ポジションからの句になるわけで。
これは第3ポジションからのメタファーを使った作品。
なんて解説してもつまんないだろうけど。
多分そういうことだ(笑)

フォト俳句の場合はそんな解説抜きで視覚情報と意味づけで楽しめるところが好き。

それはそうと、自分で創っておいて、そんな事を言うのもなんだけど。
「長閑しや」って読みとして「のどけしや」なのか「のどかしや」なのか、どっちだ?(笑)
そんな事も判らないでやってんの?って突っ込まれそう(爆)
一応、自分的には「のどけしや」で創りました。


[写真解説とデータ]
カメラ:SONY RX100
露出時間:1/15
絞り:
F値:f/5.6
ISO:125
WB:自動
露出プログラム:オート
露出バイアス:±0

今気がついたけど、これもRX100で写したものか・・・
短い間しか使わなかった割りに入選作品率高いなぁ。



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並びたる色数へしや鯉のぼり
まいまいクラブで選外になった作品。
あちこちに投稿するのは良いのだが、選者の傾向が違うのでチューニングしたりして。
その姿勢が佳句を駄句に落とし込むのかも(笑)

どうにか入選させたいという気持ちは正直な気持ちだけど。
相手(=選者)合わせの作品なんて、考えてみれば芸術作品には無いだろうな。
表現者として自分の創りたいものを多くの作家が創ってきたわけで。

とは言うものの、たしか太宰治なんかは、どうして自分に芥川賞をくれないのだとかの質問を文藝春秋に送ったとか送らなかったとか。
太宰も賞が欲しかったのかな?
誰だって賞は欲しいよね(笑)

さてさて、この作品に関して言えば。
まず、信毎フォトコンには出せないと判断する。
俳句と写真の距離が近すぎるというのがその理由。
まぁ、本物の鯉のぼりの絵を外してはいるのだが。
それでもおそらく中谷先生は近すぎって仰ると予想される。
ことある毎に距離感距離感と仰る。
自分としてはなんとも微妙な写真と句との距離感を合わせるのが好き(笑)

まいまいの選者である大高先生は、それほどこの距離感に関しては言わない。
というか、毎週の三賞の作品など見ているとむしろ写真の説明を俳句でしているような。
そういう距離感が結構多い。
こちらは、おそらくあくまでも俳句がメインで考えていると思われる。

などと負け惜しみの解説をしてみる(笑)


[写真解説とデータ]
カメラ:RICOH GR
露出時間:1/15
絞り:3.6
F値:f/3.5
ISO:100
WB:自動
露出プログラム:絞り優先
露出バイアス:+0.3





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